~魔人の娘~

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カタン   小さな音がして、狭く寒々しい石壁の小部屋に入れられた娘は顔を上げる。 年の頃は17~18歳。まだ子どものようなあどけなさも感じられる美しい顔立ちだが、その表情は憔悴しきって青白い。 娘の名は遙。 ここ、端(タン)の村で5年ほど前から生活している。 3年前に母親を病気でなくし、現在はひとり、端の村のさらにはじで暮らしていた。  
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