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「…ほんとうに?ごめんね…君、名前は?」
「………佐々木……多華」
「…………たけって名前かぁー…イイ名前だね…」
男性は優しく笑った。
「…ありがとう…ございます。」
「……俺…誰だかわかる??」
「…あ…いや……分かりません…」
あたしがそう言うと男はなぜか悲しそうにして
「…っ……俺の名前は一ノ瀬優雅。1年5組の副担やってる。」
と言った。
あ!
今日、甘奈が言っていた人だ!
「……佐々木さんは何組??」
「…4組です…」
「…そっか…これからよろしくね」
そう言うと一ノ瀬先生はまた、優しく笑った。
きっと、この優しい笑い方が生徒に受けが良いんだとあたしは思うな…。
この人は確かにカッコイイ。
……まつげ長いし…目とか超茶色いし…。
「俺の顔なんかついてる?」
ヤバっ…見すぎたっ
「あ!いえっ違います!」
「そう…じゃあ…さようなら」
「……さ、さよなら」
そうして一ノ瀬先生は反対方向に歩いて行った。
なんなんだ…?…あの人…。
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