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「………お姉ちゃん…」
お姉ちゃんは髪も服も息も乱れ、急いできた様子。
「…良かった……生きてた……」
「…生きてた…ってそんな大袈裟…」
「……そりゃあ心配するよ…」
「………」
……心配させてゴメンね
と、心の中で呟くだけ。
ゴメンね一つを言葉に表せない自分が腹立たしい。
「あの…どちら様ですか?
どうやら本間のコトを聞いてるらしい。
「お姉さん…申し遅れました。僕が先ほど電話した、多華さんの担任の本間と言います。」
「…あ!先生ですか…すいません…」
「…いえ…僕もこんな格好ですし…」
言われてみれば、ジーパンにTシャツとラフな格好をしている本間を初対面の人は誰も先生だと思わないだろう。
「…入学早々…ご迷惑おかけしてすいません」
「そんな事ありませんよ…入学早々とはいえ、僕は多華さんの担任ですから……あの…多華さんは記憶喪失になられたと聞いたんですが…」
「……はい。半年前ほどに…」
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