33人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
下に降りるとトーストを口に加えネクタイを結んでいる兄、愁(シュウ)がいた。
「……おっ!多華オハヨー」
「………おはよ」
お兄ちゃんは今年から社会人。
「愁兄も多華も早くしないと入学式始まるよ?!」
今日は、あたしがこれから通う、
成徳学園の入学式。
……入学式とか…めんどくさ……
支度が終わり、3人揃って家を出る。
「…じゃあ俺は仕事に行ってくるよ!多華…入学式がんばれよ…」
「………」
返事のないあたしにフッと鼻で笑い愁は車に乗り込んだ。
「…多華…返事くらいしてあげなよ」
「………」
「…ま、いっか…行くよ…!」
多華は実の姉である沙也にも感情をあらわにしてくれないので沙也は諦めていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!