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職員室はあたし達の教室がある校舎のちょうど反対側。
あたしは先生に何を言われるのか、と不安になりながらも職員室へ向かった。
職員室まであと10mほどの所で右に曲がると
――ドンッ――
誰かにぶつかりしりもちをついた。
痛っ…ダサいし…最悪…。
恥ずかしさあまり涙目になる。
「うわっ!?ゴメン!大丈夫?」
誰…?
そこには、スーツを着た短髪の爽やかな男性が中腰になってあたしに手を差し延べている。
その男性はあたしの顔を見ると、なぜか驚いたような顔をした。
え……何…?
「…だ……大丈夫です…」
差し延べられた手を無視して自力で立つ。
ブレザーについた埃をパンパンとはらってから落としたバッグを拾い上げ、職員室に向かおうとすると、
「…あっ………大丈夫じゃないでしょ。すりむいてるし…絆創膏…貰って来るよ」
どこまで心配性なんだよコイツ…。
「……あー…あの、イイです…ほんと大丈夫なんで…」
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