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ーー次の日。
あたしの足は授業そっちのけで、静かに図書館へと向かっていた。
やっぱり図書館はあたしの安息の地だわ。
昨日は確かに驚いた。
こんな地元から離れたガッコに同チュー出身のしかも元カレのアイツがいたなんて……。
「よぉ、サボりか?
一緒にサボらないか?」
ガラの悪い、いかにも『不良です』と言わんばかりの男子生徒二人あたしは絡まれた。
トホホ……。
ついてないなぁ……。
「間に合ってます。」
ここは強気で断らなきゃ。
弱気になったらあたしの負けよ。
「気が強いなぁ。」
ベタベタとあたしに男子生徒達が触れてきた。
気持ち悪い。
「ウザイんだけど。」
あたしは男子生徒の手を振り払う。
「なめんじゃねぇぞ!
ゴルァ!」
逆上した男子生徒の一人があたしの後ろに周り、腕で首をしめてきた。
「くっ……。」
油断してた。
苦しい……。
やばい。
落ちそうだ……。
「あれぇ~。
アンタ、生徒会長じゃん。」
朦朧とする意識の中、嫌な言葉が聞こえてきた。
あたしが思い出したくない言葉が……。
「お前しってんのか?」
あたしの首をしめてる男子生徒の腕が少し緩まった。
酸素が渡り、あたしの意識が回復してくる。
「同クラじゃなかっけど、同チューだ。
コイツ、目立つ奴だったからさ有名人だったんだぜ。
まさか同じ高校に入ってたとはな。」
……最悪。
またもや同チュー出身とか。
しかも、何この展開……。
この話し聞くなら気を失ってた方がよかった。
「ひゅ~。」
この話題やめてよ……。
「コイツ、副会長と出来てたんだぜ。」
やめて……。
「エロいな。」
やめて……。
「噂では別れたらしいがな。」
お願い、これ以上言わないで……。
「ガハハ!
だっせぇ~。」
どうしてあたしがこんな目に合わなきゃいけないの……。
悔しい……。
悔しくて涙が止まらない。
「……誰がダサいって?」
この声は!
「いででで!」
蓮だ!
あたしの首を締めていた男子生徒の腕を捻りあげた。
「蓮!」
男子生徒の腕が緩んだ隙にあたしは抜け出し、咄嗟に蓮の元へ行った。
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