若気の至りの巻

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今日もパートが終わってからボーリング場で待ち合わせ だだっ広い駐車場に奴のダークシルバーのソアラを発見した しかし、奴の姿が無い 待たすのも待たされるのも嫌いな私は車を駐車し初めてボーリング場の中に潜入した 見渡す限りボーリング場には居ない しかし、その脇に申し訳無さそうに有るゲームコーナーに独特な風貌で燃えている奴を発見 そして、奴の足下に透明の特大ゴミ袋が2つ その中には、これまた似つかわしくない可愛らしいヌイグルミがギュウギュウに詰め込まれていた その脇に少し引きつった気弱そうなスタッフの姿が そう、奴はUFOキャッチャーをジャックしていた 『何…してんの?』 の私の声に満面の笑みで振り返り 『プレゼント』 って…どうみても50は超えているヌイグルミの山 『凄い量だね…』 ちょっとドン引きの私に 『待ってて、これ空になったら止めるから』 と、ニコニコしながら続けていた それから15分で全部取り終えた 結果、透明のゴミ袋3つ 数にして64個のヌイグルミ まだ出始めのUFOキャッチャー故にヌイグルミのランクは… キャラクターなんて一つも無い 『で、結局、いくら使ったの?』 『二万かな…4回補充して貰った』 奴は満足げだった そう奴の熱くなる性格 この時に気づくべきだった その日、持ち帰ったヌイグルミの山は、私のベッドの枕元にベッドヘッドの如く壁を作った てか…赤いクマが不気味だ
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