ありす

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       ――…早く、逢いたい そんな妄想に耽っていると、いつの間にか退社時刻になっていた。   私は直ぐさま鞄を手に取り、勢いよく職場を飛び出す。     「お疲れ様でしたあー!」       会社を出ると、直ぐに鞄から携帯を取り出す。   ティスプレイに表示されるのは愛しい人の名。   通話ボタンを押すと受話器の向こうから呼び出し音が聞こえた。     『……ありす?』   「白兎、今日行けるよ! 一旦着替えてその後そっちに向かうね!」   『本当!? すっげー嬉しい! 俺、楽しみに待ってるからね』   「うん! なるべく急ぐから待っててね!!」     そう約束を交えると、電話を終える。      ――…私を“待ってる”だって!     私はまたもニヤケ顔を浮かべながら、そのままダッシュで自宅へと向かった。    
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