ありす

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    私は平気な風を装って笑顔で答えた。   その返答に白兎はもう一度「ごめんね」と謝ると、テーブルを抜けてってしまう。   それに代わるようテーブルに入る男の子。   何度か顔を逢わせた事がある、少しつりめがちの大きな瞳を持つ子だった。       「ちーっす! ありすちゃん、飲んでる?」     「千莎(チシャ)君」       私はそう彼の名を呼ぶ。   彼はニカーッと笑顔を向けると私の座るボックスに腰を下ろしてきた。       「ありすちゃん、なんか元気ないね? 白兎が行っちゃって淋しいのかなー?」     「そ、そんな事……」       心の内を読まれたようで、私は少しだけ焦りを見せた。   そんな私の様子を見た千莎君は、ニッコリとこちらに笑顔を見せる。       「隠さなくっていいじゃーん! 女の子は素直な方が可愛いよ?」     「う、うん……。そうだね」    
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