14人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
私は平気な風を装って笑顔で答えた。
その返答に白兎はもう一度「ごめんね」と謝ると、テーブルを抜けてってしまう。
それに代わるようテーブルに入る男の子。
何度か顔を逢わせた事がある、少しつりめがちの大きな瞳を持つ子だった。
「ちーっす! ありすちゃん、飲んでる?」
「千莎(チシャ)君」
私はそう彼の名を呼ぶ。
彼はニカーッと笑顔を向けると私の座るボックスに腰を下ろしてきた。
「ありすちゃん、なんか元気ないね? 白兎が行っちゃって淋しいのかなー?」
「そ、そんな事……」
心の内を読まれたようで、私は少しだけ焦りを見せた。
そんな私の様子を見た千莎君は、ニッコリとこちらに笑顔を見せる。
「隠さなくっていいじゃーん! 女の子は素直な方が可愛いよ?」
「う、うん……。そうだね」
最初のコメントを投稿しよう!