携帯小説 前編

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その日の内にサイト内でもそのニュースは広まった。 キングスタの倒産。そして運営の停止。 完全な運営停止までには十分な時間が設けられた。 作品のデータにも影響は無い。システムもしばらくは生きている。 キングスタのクリエイターたちは、ただ静かに悲しいニュースを伝え、読者たちも悔しさをコメントにつぶやく。 中にはキングスタの運営事務局に、怒りをぶつけようとする奴もいた。 俺ですら、そんなの無駄だと分かっているのに。 こんな事が起きるなんて、誰が望んだ。 俺は放心状態の中、淡々と授業を受け、家に帰った。 そして授業中に考えていたことを実行した。 電話したんだ。あれ公に。 この感情のやり場や、たくさんの疑問を、あいつなら知っていると思った。  
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