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俺はすぐにでも小説の感想を聞きたかった。
「えーっと……」
ここは学校の図書室。
昼休みはほとんど人がいない。
そして彼女は今、俺の携帯電話を持っている。
右手にはパックの豆乳。
別に浮気を疑われて、携帯のアドレスをチェックされているとかじゃない。
俺が書いた小説を読んでもらってんだ。
「どっから言えばいいかな……」
舞は眉間をコツコツと指で叩き、何かを考えている。
彼女のお父さん、うちの学校の先生なんだ。
斉藤先生って言うんだけどさ、授業中に誰かを名指しする時も同じ事すんだよな。
眉間をコツコツって。
っちゅーかどうしたんだよ、早く感想言えよ。
面白いって、天才だねって、ヤバイて。
事の経緯はさ、ほら携帯小説ってあるじゃん?
俺もそれを書く事にしたんだ。
俺の大好きな携帯小説、それは……。
LANCE先生のsavanna GAME!
俺もあんな小説が書きたい! って思ったんだ!
それに今がチャンスなんだ!
携帯小説が人気になってさ、もしかしたらファン人数が異例の200万人突破! 閲覧数9999万! カウンターストップ!
そんでもって書籍化!
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