4人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
と愚痴っても、別に俺に特別な能力とかは備わっていない。
筈なのだが─
次の瞬間、停留していた船が『爆発』した。
「…ゑ?」
何ですかこれは?
俺、またテロに巻き込まれたんですか?
そんなポカーンとした表情で必死に状況把握しようとしている俺に、
「またアイツらか!」
「せっかくのデートが…
もう、空気読んでよブラッククロス!」
先程のリア充カップルの会話だが、どうもこの事件に慣れているようだ。
─ひょっとして実はスパイとか?
毎日極秘任務とかでも受けてんのかアイツら?
端から見たら突拍子過ぎる妄想を打ち切り、彼らに話しかける。
「オイ!アンタら随分とこの状況になれてるっつーか犯人知ってるみたいだけど!
何だ!?何が起こっている!?」
その問いを聞いて、『それはひょっとしてギャグで言っているのか』的な表情を浮かべるカップル達。
「何って、ブラッククロスがまた恐怖を集めに来たんだよ!
ヒーロー来るまで逃げないと!」
…その表情そっくりそのまま返してやろうか?
そう思いつつも
「あー…俺外国に長期滞在してて今帰ったばっかなんだよ。
教えてくれ。いったい何が…」
「人間ドもぉ!貴様ラの恐怖頂クぞぉ!」
何か中二病を煩ってそうなセリフを聞いて、思わずそちらに振り向いた。
「これはヒーローショーですか?」
いいえ、現実です。
そこにはいかにも悪の組織の戦闘員やってます的な黒タイツの集団と、鷹っぽい変人がそこにいた。
最初のコメントを投稿しよう!