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前傾姿勢になり、拳を握る。
それだけで、敵対の意志は確認された。
「貴様、理解シてるのか?
セイレンジャーでもない限り、我ラに適うわけがない!」
(セイレンジャー…?
正義の味方ですかコノヤロー…)
その単語に対抗者らしき感覚を感じつつ、動かない。
只構え、迎え撃つのみ。
「行ケ!」
「イーッ!」
戦闘員が仁鳥に掛かっていく。
「…」
精神を集中し、一番前にいた戦闘員を走ってくる勢いを受け流し、
「ハァッ!」
投げ飛ばす。
即座に次の戦闘員に向き直り、殴りかかって来た右手をまたも受け流し、
「セイッ!」
後ろに流し、手刀を首筋に入れる。
今の一連の動きを見たら、その手の実力者は「かなりの腕前」だと語るだろう。
そのような動きをしつつ、しかし驕ることもなく、次の敵に備えて構えを取り直す。
緊張が、走る。
次の瞬間には敵が来ると、その瞬間を思い、対策を考え、最良の手段を、瞬間を構え、待つ。
そのような『戦場』に。
「見つけたよ!ブラッククロス!」
…戦場には似合わない、少女の声がした。
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