1.これはショーですか?

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前傾姿勢になり、拳を握る。 それだけで、敵対の意志は確認された。 「貴様、理解シてるのか? セイレンジャーでもない限り、我ラに適うわけがない!」 (セイレンジャー…? 正義の味方ですかコノヤロー…) その単語に対抗者らしき感覚を感じつつ、動かない。 只構え、迎え撃つのみ。 「行ケ!」 「イーッ!」 戦闘員が仁鳥に掛かっていく。 「…」 精神を集中し、一番前にいた戦闘員を走ってくる勢いを受け流し、 「ハァッ!」 投げ飛ばす。 即座に次の戦闘員に向き直り、殴りかかって来た右手をまたも受け流し、 「セイッ!」 後ろに流し、手刀を首筋に入れる。 今の一連の動きを見たら、その手の実力者は「かなりの腕前」だと語るだろう。 そのような動きをしつつ、しかし驕ることもなく、次の敵に備えて構えを取り直す。 緊張が、走る。 次の瞬間には敵が来ると、その瞬間を思い、対策を考え、最良の手段を、瞬間を構え、待つ。 そのような『戦場』に。 「見つけたよ!ブラッククロス!」 …戦場には似合わない、少女の声がした。
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