第一章

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 私は“ゆめをみた”  真っ暗で先が見えない背景。  誰かが泣いていた。  私はその寂しげな背中を見つめることしか出来ない。  足を一歩踏み出せばいいのに  手を前に伸ばせばいいのに    ただ、それだけ。 ―――私は、後悔しかしたことがない。  だから後悔するくらいなら、もう誰とも関わらない。誰も傷つかせない。…これを誰かは“偽善者”“思い上がり”“イタイ子”などとレッテルを張り付けるかもしれない。  だけど、口先の名誉より心の在り方を ―――私は、優先したい。  ねぇ朱月さん。教えて? ―――――貴方は、なぜ苦しい顔をしたの?
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