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春。
それは出会いと別れの季節とも言うが、私はそうと思わない。
バシャーーン!!
「――キャハハハ!!ヤッベー「のっぺらぼう」びっしょびしょ!」
ここは女子トイレだ。別名拷問室とも言う。
「…………………」
真上から梅雨前線の如く降り注ぐ大量の水。それはバケツに入れられていた水に他ならない。
「オォラのっぺらぼうッ!
少しはエロイ姿でも見せてみれやぁ!」
ザッパアアァァァアン!
今どきの女子高生達は、トイレの個室で私を濡らして何が楽しいのだろうか。
私はコレと言って胸も大きくない。同性が見ても羨む物は何一つとしてもっていない。
――――くだらない、事の繰り返しだった。
「な…なんだ水無月……!ずぶ濡れじゃないかっ。」
「……すみません。帰ります。」
案の定、クラスに戻ってきても先生は役に立たなさそうなハゲ。
そしてクスクスと聞こえるクラス中の笑い声。
この世は、不公平の上に成り立っている
私は水無月氷。無表情で取っ付きにくい性格故か、中学校からイジメの標的にされることが多々ある。…いや、必ず。
「…入学して三日後にイジメ標的。………さすが」
居たたまれない気持ちになり早退。あぁ別にめげてなどいない。寒いだけだ。
ボフッ
家に着いても誰もいない。
…父と母は、父の不倫が表沙汰となり離婚。故に親権は母にあって私は母と二人暮らし……なのであるが、母も母で男遊びが激しい。16で私を産み、私が今16だから×2で早計私の母の年齢が算出する事が出来るだろう。…………32だ。
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