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「……じゃあ、何かに頼った事とかあんの?」
「は?」
頼りとは何なのだろうか。私は誰かに頼った事などない。
「は?じゃなくて。友達とか」
「…………………」
友達。
「………―――中学時代に、一人いました。」
「一人?どんな子?」
「……健気で、静かだけど元気で人のために何かをする事が出来る人でした」
「いい子じゃん」
「……だけど、ある事がキッカケで私達は絶縁したんです」
私は、この男に一体何を語ろうとしている?ましてや私の禁忌に等しい事項だ。
「………キッカケ?」
「…………………………」
「……ハハッ、じょーだん。聞かねーよ。…話せる時に話せよ?」
ポンッ
「…一人でなんでも背負い込めるほど、その背中は広くないだろっ?」
俯いた私の頭にポンッと乗った朱月さんの手が乗っかった。なんか言葉すらが気恥ずかしい。私は顔を真っ赤にさせたまま俯いている。
「………あ、餃子もーらい♪」
パクッ
「あ、コラ私の楽しみを返せっ!」
「ん…口移しでいーなら?」
「土に返れ」
「外国派だねぇ、氷は」
「じゃあ棺桶に入って焼かれろ」
「うーん、骨壺は氷ちゃんが大事にしてねっ?」
まさか私の毒をこんなにも避ける事が出来るとは。
「………………てか。なんで私?なんで私なんかに興味を持ったの?私口悪いし、空気読めないしモテないし………アナタとは対極にいる存在だとおもうのですが」
なんで私を気に入ったか。はたまた何で私と一緒にいるのか。彼の本心を聞きたい。遊び?暇潰し?…彼からは全くもってそれらを察する事が出来ない。
「……んー俺さぁ、あの初めて会ったときさぁ。カバンで体を浮かされて吹っ飛んだじゃん?」
さかのぼったのは出会い。昨日の朝だ。
「あん時思った。……腹抱えて笑ってる顔とか見てみてーって」
「……私が、…か?」
……いや、せせら笑うくらいか鼻で笑うくらいなら幾度となくやってきた覚えはあるが、心の底から声を出して笑ったことはただの一度もなかった。家庭環境もあったかもしれない。だがやはり………
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