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「あ、楓おはよう」
「おはよう七海!」
中学が同じだった
中野七海が下駄箱付近で
声を掛けてくれる。
「同じクラスだよ」
「嘘ッ!」
「見てきなよー」
いつも通りの
七海のマイペースな口調に
呑まれることなく
楓は人を掻き分け
掲示板にたどり着いた。
「ホントだー!よろしくねッ」
「うん」
入学式は無事終わり
クラスの女の子とも
仲良くなれた楓は
絞まらなくなった頬を
そのまま緩ませて
行きはうっとおしかった坂道を
足軽に下った。
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