入部

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「こんにちはー…」 おそるおそる卓球場を 覗きながら 楓は小さく挨拶をした。 手には先日愛美からもらった勧誘のプリント。 肩には中学から愛用しているエナメルバック。 入学式の次の日、待ちきれなかった楓は ラケットやシューズを詰めたエナメルバックを 背負って卓球場を訪れた。 「あー!!」 いきなりの大きな声に ビクッと肩を揺らした。 「来たー!山畑さんだっけ!?」 「あ、山中…」 「そうそう、山中さん!」 ショートカットの 元気のいい先輩が キャハハハハと笑う。 「何自分で言って自分で笑ってんの」 愛美が元気のいい先輩を小突く。 「あ、ウチ浜田香織でーす!」 「浜田先輩、ですか」 「やだぁー、香織で良いよ!」 「香織テンション高いよー」 佐々木の隣にいた 眼鏡をかけた女の人が 小さく笑う。 「私は中川多美です。よろしくね」 「は、はい」 _
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