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「まず、話すべきなのは…アンタ達『だけ』全員赤点だと知らされた事ね。理事長直々に参ったわ」
「俺達のクラスだけ…? 明らかに狙ってねぇか…?」
「兄貴の言う通り…私もそう思ったわ。セナや兄貴は赤点確定だとしても、そんなの意図的にやらなければ、そうならない」
さすがはファッション業界を引っ張る、大御所…分析が早い。二人はまるっきり勉強してないから、間違いないだろう。
「だよね…でも解せないのは、それが何であんな避けるような態度に繋がるのかな?」
「赤点とはいえ、人間関係には関係ないんじゃありませんか…?」
「赤点自体に、風評が影響しているわけじゃない。原因は…これよ」
目が痛いほどのピンク色の携帯を取りだし、ある画像を見せつける。うむ…?
その姿は平凡。またの姿は宝石服。ある姿は少女。その姿は嫌味…
「お…俺の姿にそっくりだ…! 体格も…顔も…!」
「私も…! ダイちゃんまでいるよ?!」
麗佳はいないものの、それぞれの特徴と合致している。7人全員が、こちらを見てほくそ笑みをしている。
「これを僕達だと勘違いして…? だから、みんながあんな態度を…」
「私はすぐに偽者だって気がついた。声もそっくりだったのよ? 間違えられるのは、仕方ないわよ。私の偽者はいないみたいだけど…」
こんな…馬鹿な! 瓜二つの人間など、この世でオリジナルのみだ。春美みたいな、クローンでもない限り…あり得ん…!
「そっくり…なんてもんじゃない…瓜二つだ…!」
「………変だよ」
そう指摘したのは、やはりセナだった。
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