CODE:∬(2) 秩序=校則

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一人で突っ走る、平凡な僕。そして彼は…乱暴な僕。 「くっ…はぁ…はぁ…待て、偽者!」 「待てと言われて、待つ馬鹿は誰だ? お前じゃあるまいしな!」 あの中でもっとも共通点を持つ、僕と彼。普通のせいだろうか、全く見分けがつかない。 しかも…住宅街をグルグル回っているだけでは、勝てない。偽者は僕より、少し速いからだ。 「ま…まずい…息が…げほっ…!」 「だらしねぇな…それでも、二回の事件を解決した、英雄さんかよ? 俺にでもなれるな!」 偽者と距離が離れていく…もとい、まだ諦めている訳ではない。 「君に何が分かる…二回の事件…それに一回目は、決して在ってはならない事件なんだよ! そいつを…侮辱するな!」 キュウゥ…バシュ! ローラースケーターを装備し、一気に詰める。幸い、傍に持っていてよかった。 「へぇ…英雄の名は立てじゃないのか…なるほど。なら、俺も黙っていられない」 角に差し掛かり、偽者がそれに沿って移動…僕も角を曲がる。 「…あれ? いない…?」 ブレーキをかけ、回りを見渡す。正面には誰もいない。小癪…どこに行った? 「何をちんたら、してるんだ?!」 ピンッ…ガラガラ…! 「なっ…!」 ストッパーを外され、工事現場の鉄棒が僕を襲う。すぐにエンジンを吹かし、商店街に出る。 後ろにはただ、散乱した鉄棒のみが存在していた。 「チッ…惜しい! 本物と成り変われば、色々と都合がいいとヤツが言ってたのにな…」 空を飛んでいる偽者は、僕の前で滑空する。蛇のようにフラフラとしていて、危なっかしい。 「ヤツ…? 君は誰かに依頼されて、欺こうとしているのか?」 「さぁ…どうだろう…なっ!」 ボトボト…! 大きなバスケットを引っくり返し、進路を妨害する。あいにく、避けられる程度だった。 「甘い…! このくらい…!」 ジャンプをして、空中に浮かぶと… 「どっちがだ? 英雄さんよ!」 バキッ…!
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