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空中から地面に叩きつけられる。滑空しながら踵(かかと)落としなんて…予想外だ。頭の痛みを堪えながら、偽者を追う。
「この程度で…負けない…! 英雄なんか、そもそも僕が望んだ事じゃない…!」
エンジン再起動…後に加速。悔しさ、怒りが込み上げる。
「へぇ…俺には英雄呼ばわりされて、いい気になっている奴にしか見えないね。それこそ…ムカつく程に」
ピンッピンッ…!
お次は手榴弾と来た。商店街の中で、爆弾なんてかましたら…!
「やらせない!」
一気に加速して、手榴弾を拾い上げる。空高く投げた。
バーンッ! ガタガタ…
運悪く看板に当たってしまい、万事休す…! 回りの人は僕だけを見て、ヒソヒソとしている。まずい…!
「もう止めて! 君は何が望み? 僕を堕ちさせる為か? それとも英雄の名が欲しいのか?!」
「二つともそうだが…ちーっと違うな。…俺達の狙いは、お前ら『8人』を失脚させるためだ! それが、依頼なんでね…逆らえないのさ」
依頼? コイツ、誰かに頼まれて僕達を妨害している…? 失脚をさせるために、ここまでやるのか?!
「ふざけるな! 僕らが何をしたって言うんだ! 依頼とか、関係ない。…君らを絶対に追い詰めるからな!」
「ほー…面白い。だが、いつまでもこうやって鬼ごっこをしているつもりはない。…君達みたいに、暇人でも英雄じゃないんでね」
お店の商品の小麦粉をひったくり、僕に巻いた。
『コラァ! 泥棒ー!』
後ろから店主らしき声が聞こえたが、姿は見えない。粉塵が舞い、回りが見えなくなる。
「ゲホッ…ゲホッ…! 偽者! どこだ?!」
「ハハハッ! お遊びはここまでだ。…さて問題だ」
チッ…チッ…ボッ!
「…小さな煙の分子…小麦粉が、火の化学反応を起こすと…どうなるでしょうか? クククッ…じゃあな」
「っ!!!」
バシュウ…バーンッ!
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