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紅蓮の炎が身を焦がす。必死に煙の中をかいくぐり、外に出た。
「うぅ…あぁ…」
バタン!
膝をつき、そしてうつ伏せになった。体は鉄のように硬直し、支えることはできない。
…生きている。けど、身体中が痛い。怪我をしている上に、火傷を負った…
回りには人だかりができているようだ。僕に手を貸してくれる人は…誰一人、いない。そればかりか…
「テメェ…よくも鉄棒をばらまいてくれたな!」
倒れている僕を、胸ぐらを無理矢理掴まされ、起こされる。宙吊りにされる。横に振りながら、かすれ声を出す。
「僕じゃ…ない……です…」
「あぁ? 何を抜かすか! おかげで、家が建てるの遅くなるじゃねぇか!」
「う…ぅ……」
怒る大工さんに涙で返す。また僕の力不足で…また…迷惑を…
「泣きゃ済めば良いと思ってんのか! 見ろ、この商店街を経営してる人達の、怒りを!」
片手で宙吊りにされたまま、怒れる人達に突き出される。批判の声が…聞こえる…
「よくも、小麦粉を盗んだ上に、派手にやってくれたな! 修理代と代金は、キッチリと払ってもらうぞ!」
「それに、私のアクセを返して! 盗んだの…英雄さんでしょ!」
「俺の店が…粉塵爆発で台無しだ! 何が英雄だ! 名ばかりで、何にもやっちゃいない! 責任は取ってもらうぞ!」
「ごめん…な…さい…だけ…ど……」
大工は僕を自分の方に向けると、睨みながら罵声を浴びせる。
「謝って済めば、警察は要らねぇ! だけど、何だ?!」
「……僕じゃ…ない…偽…者が……やった…んだ…」
バキィ…!
容赦ない大人のパンチが、全身を貫く。僕はただ、体で払うだけ。再度、胸ぐらで体を起こさす。
「謝ったら、次は僕じゃありません? ふざけるなー! もう、決めたぞ! 警察に連絡しろ! 大至急!」
大工は手を後ろ手にし、ロープで縛り付けた。僕はただ…
「み…んな……ごめ…ん……」
自分の力不足を、悔いていた。
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