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次の瞬間、大工は悟る。光が消え、目にした頃には…奴らと犯人がいなくなっていたと。
「…くそっ! 後で、指名手配の要請をしておけ…!」
苦虫を噛み締めながら、その場を後にした。
「………くっ」
誰かの後悔がまた一つ。積み重なった。
―――お母さん…お母さん…! 起きてよ…起きてってば…! 何で…? 何で…お母さんなの…何で…私なの…?! うわぁー!―――
「…既に過ぎ去ったこと。私には…彼しかいないのよ。今さら…何を置いていくの? ねぇ…『私』という人…」
少女は静かに、『十字架』を握り締めた。
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