1.妖狐と長州藩士

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      「…ふん、面白い。」 少女はおもむろに階段から飛び降りると、栄太郎の手を掴んだ。 「九条 凛。 九火の…妖狐だ。」 「吉田栄太郎。 …宜しくね、凛。」 掴んだ手を握り返した栄太郎が微笑む。 いつもの栄太郎を知っている高杉や、桂が見たらびっくりするような笑顔で。 (凛…彼女の事は後々知っていけば良いかな。) (久方ぶりに面白い人間を見つけたかの。) 各々の思いを胸に、二人は夕暮れの中、帰路についた。
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