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銀時
「うちもう新聞取ってるんで。そーゆーの大丈夫なんでーェ」
新聞販売の売り子だと予想した銀時は、既に数多の新聞販売員を撃破して来た往年の台詞を吐き捨てるように呟きながら戸を開けた。 建て付けが幾分悪いのだろうか、戸全体が振動して喧(やかま)しい音を掻きたてる。
桂
「新聞じゃない……桂だっ!!」
ピシャ
―――ピンポーン―――
桂
「銀時、ツレないではないか。顔を見合わせた瞬間に戸を閉めるなどとは……貴様それでも侍か!?」
ガラガラ
銀時
「うっせーよっ!! つーか、指名手配されてる奴が白昼堂々オレん家に来るな、バカ」
桂
「なんだかんだ言って、戸を開けてくれる貴様が結構好きだ」
銀時
「気持ちワルッ!! 一発殴っていい? 殴っていいよね?」
桂
「そう声を荒げるな、銀時。今日は案外真面目な用件で来たのだ」
銀時
「いつもふざけてるっていう自覚はあるんだろーが……」
銀時
「ん?」
銀時が桂の右後ろに目を遣ると、幼い少女が二人佇んでいた。二人とも整った顔立ちをしている。 一人は焦げ茶色の長髪をツインテールにしており、年齢は神楽と同学年ほどだろう。もう一人は、ひどく眠たげな目つきをしており薄いクリーム色の髪の毛は腰にまで届いている。
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