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取って見せたのは、背中一面に雲竜、左袖に『絶対佳人』右袖に『国士無双』と、プリントされたTシャツ。
杏「……」
何か可哀想なモノを見る目を向けられる。
朋也「いや、お前が今手に取ってるのも変わらねぇから」
杏の手には背中に羅漢仁王像、袖には『阿』と『吽』がプリントされたTシャツ。
杏「選んでる最中なの、あんたみたいに決定してる訳じゃないんだから」
戻し、改めて手に取ったのは、うりぼうがプリントされたTシャツ。
けど、ボタンの様な可愛さは感じない。
それは杏も同じなのか、直ぐに戻して、当たり障りのないシンプルなデザインの物を手にし。
杏「……他行きましょ」
戻して、その場を後にする――
――結局、何も買わないまま、店を回っただけだった。
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