三話

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誰かが、私の横を通ったとき 微かに石鹸の香りがした。 もしや…?あの人かも? ふと、顔をあげてみた。 「どっか、わかんないところない?ヒントだったら、出してあげるよ。」 なぜか、一瞬時が止まったような気がした。 「……あの。」 「ん!?あれ?もしかして。」 「はい。多分、そのもしかしてだと思います。」 「やっぱ?ここの塾に居たんだ。」 「今日からです。川崎 留嘉と、言います。」 「っあ!!自己紹介か!!俺の名前は、森田 善大(モリタ ヨシヒロ)と言います。」 善大か……。 ドキッ!! っなぬ?どうした、私の心臓!! まさか、この塾にあの電車の人がいるとは思わなかったが、 心の中ではどこかで、喜んでいる自分がいた。 そして初めて、また塾に行きたいと思う自分がいた。
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