20人が本棚に入れています
本棚に追加
誰かが、私の横を通ったとき
微かに石鹸の香りがした。
もしや…?あの人かも?
ふと、顔をあげてみた。
「どっか、わかんないところない?ヒントだったら、出してあげるよ。」
なぜか、一瞬時が止まったような気がした。
「……あの。」
「ん!?あれ?もしかして。」
「はい。多分、そのもしかしてだと思います。」
「やっぱ?ここの塾に居たんだ。」
「今日からです。川崎 留嘉と、言います。」
「っあ!!自己紹介か!!俺の名前は、森田 善大(モリタ ヨシヒロ)と言います。」
善大か……。
ドキッ!!
っなぬ?どうした、私の心臓!!
まさか、この塾にあの電車の人がいるとは思わなかったが、
心の中ではどこかで、喜んでいる自分がいた。
そして初めて、また塾に行きたいと思う自分がいた。
最初のコメントを投稿しよう!