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まったく人間というものは身勝手で、角があったり羽があったり目が三つあったりするだけでぎゃあぎゃあと拒否反応を起こすのだ。満月を見たら毛が生えるくらいで大袈裟な。
あまりにうるさいから人里離れた奥地に我々がわざわざ――本当にわざわざだ――引っ込めば満足かと思えば。
しばらくして平地に溢れかえった人間たちは、今度は山だ森だ海だを住処にしようと頑張り始めた。そして我々を見かけてはまた騒ぐのである。
どうやら距離をあけている間に、我々は【想像上の生き物】とやらに分類されたらしかった。いない筈の生き物がうろうろしているのだから、それはまあ驚くだろうが。
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