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そういうわけで一年ほど前に侵攻を開始し、そして特に何事もなく人間たちを追いたて、もう何ヶ月かで我々が平地に住めるようになるというところだ。
「そう言えば、綿亀とスライム達は元気か?」
ふと思い出して報告書の隅々まで舐めるように見ている大臣に尋ねてみた。常に最前線に立つ彼らと私は会うことがない。
「精神衛生上はよろしくありませんな。顔と甲羅に一日中攻撃されているのでは仕方ありませんが」
大臣はすかさず該当のページを探しだした。概ねは頭に入っているようだ。私がぼんやりする時間があるのは、ひとえに優秀な大臣のおかげだ。
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