序章 ~世界征服は目前だ~

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「一時しきりに投げつけてきた金属類は近頃減りました。代わりになにやら臭い液体、臭い粉塵、よく燃える粉末を固めたもの…が増えたようです。なお燃える粉末は煙が臭いとのこと」   「考えているのだな、向こうも」   なるほど、顔に埃よりは顔に臭い物の方が効果的だろう。報告書の推移を思い出しながら私は大臣を見た。大臣も蓄えた眉を一つ扱いて頷いた。今日は綺麗に三つ編みしてある。   「最初のころは大小様々な金属の塊でしたなぁ。一つ一つは割に早かったですが…」   「スライムはほとんど水だしな。そして綿亀の皮膚より柔らかかったんだったか」  
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