No.3 神様少女の休日

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 早朝。俺はミカによって、夢という名の楽園から現実へと引きずり戻されようとしていた。 「おっきろー!」 「…………」  時間を確かめていないため、本当に早朝かどうかは分からない。だが、この気怠い感覚からして、たぶん間違っていないだろう。  ……何より、まだ明るい感じがしない。 「朝だよー! 早く起きないと日の出が見れないよー!」 「…………」  日の出よりも早い時間を朝と呼べるのだろうか。そんなどうしようもない疑問が頭を過ぎる。  それ以前に、どうして7月に日の出を見なければならないのだろうか。  元日なら初日の出ということで、何となく見てみようかなぁ、などと考えなくもない。しかし、こんな時期に日の出を見ようと考える学生は普通いない。 「朝だよー! 暇だよー!」 「…………」  今の一言で俺は確信した。こいつは日の出に興味を持っているわけではない。ただ早く起きてしまって暇を持て余しているだけだ。  ……ということは、お前の暇を潰す相手をするために俺は起こされようとしているのかよ。……理不尽だ。  布団を被ったまま深く息を吐くと、少しでも隣でうるさくしているミカを避けるために、俺は寝返りをうつ。  あぁ、布団って、どうしてこんなにも気持ちが良いのだろうか。  特に、羽毛布団。この肌触りは最高だ。優しく柔らかく包み込んでくれるような肌触り。ほんのりと感じる暖かさ。最初に羽毛布団を作った人はきっと神様のような人だろう。  ……いや、神だけは絶対にないな。うん。  それに考えてみると、昔に羽毛布団を作ると、かなりグロいことになるんじゃ……。  寝ぼけているとはいえ、恐ろしい光景を想像したことを後悔した。
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