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二葉
目の前には木造の小さなアトリエ。
暖かい木漏れ日が射すとても静かな森に、見た目で言うとまだ十にも満たない子供達が1人の男を囲み、男の話を食い入るように聞いていた。
男はとても優しい目をしている。
歳は二十代半ばといったところだろうか。
男
『いいかい?君達、ここは僕の秘密の場所なんだ』
男は絵筆を手に取り、パレットの緑色の絵具に黄色を混ぜながら話した。
男
『誰にもここを教えてはいけないとあれほど言ったじゃないか』
男の表情は和やかだ。
?
『二葉ちゃんにも聞かせてあげたかったんだ。あの話』
男
『やれやれ』
一人の男の子の弁解に男は仕方ないなと言わんばかりに絵筆を置き、椅子に座った。
男
『今日は特別だよ』
優しく微笑み男は語りはじめた。
とある物語を…。
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