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淳
【名前?なんで?】
里穂
【2人で飼うの!】
淳
【うちはアパートだし、お前ん家は病院だろ】
里穂
【でも!】
淳
【あ~もうこんな時間か、夕飯の仕度しねぇと!】
里穂
【あーちゃん…。】
淳
【なんだよ】
里穂は深呼吸して、声を震わせながら喋った。
里穂
【私、告白された!真くんに!】
車の走る音、猫の鳴き声、風の吹く音。
里穂の言葉を聞いた途端、淳の耳にははっきりとそれらが聞こえてきた。
淳の周りはそれだけ、静かになったのだった。
淳
(里穂が…告白された…真二に。)
里穂
【それだけ言いたかったの!】
【相談したくて…。】
【私たち、三歳からずっと3人一緒だったしさ】
淳【…。】
里穂
【夕飯の準備するんだよね。ごめんね】
【あーちゃんのご飯、久々に食べたいな】
淳
【考えとくよ】
里穂
【え?】
淳
【猫の…名前】
里穂
【うん!】
【また明日!バイバイ】
笑顔で手を振り、里穂は帰っていった。
黒猫
【ミャー】
猫は淳のそばにいた。
淳
(真二と…里穂か)
ゴツン!
淳
【…。】
子猫は帰りも煉瓦のブロック塀に頭をぶつけて帰っていく。
淳
(痛い…。)
(決めた…あいつの名前…。)
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