二葉

5/5
前へ
/22ページ
次へ
淳 【名前?なんで?】 里穂 【2人で飼うの!】 淳 【うちはアパートだし、お前ん家は病院だろ】 里穂 【でも!】 淳 【あ~もうこんな時間か、夕飯の仕度しねぇと!】 里穂 【あーちゃん…。】 淳 【なんだよ】 里穂は深呼吸して、声を震わせながら喋った。 里穂 【私、告白された!真くんに!】 車の走る音、猫の鳴き声、風の吹く音。 里穂の言葉を聞いた途端、淳の耳にははっきりとそれらが聞こえてきた。 淳の周りはそれだけ、静かになったのだった。 淳 (里穂が…告白された…真二に。) 里穂 【それだけ言いたかったの!】 【相談したくて…。】 【私たち、三歳からずっと3人一緒だったしさ】 淳【…。】 里穂 【夕飯の準備するんだよね。ごめんね】 【あーちゃんのご飯、久々に食べたいな】 淳 【考えとくよ】 里穂 【え?】 淳 【猫の…名前】 里穂 【うん!】 【また明日!バイバイ】 笑顔で手を振り、里穂は帰っていった。 黒猫 【ミャー】 猫は淳のそばにいた。 淳 (真二と…里穂か) ゴツン! 淳 【…。】 子猫は帰りも煉瓦のブロック塀に頭をぶつけて帰っていく。 淳 (痛い…。) (決めた…あいつの名前…。)
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加