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レンガ
男はここまで話すと、絵筆に手を伸ばし、二葉を見てこう尋ねた。
男
『何か思い出したかい?』
二葉
『…。』
何も反応しない二葉に男の子は心配して声をかけた。
男の子
『二葉ちゃん』
二葉ちゃん
男
『君も記憶がないんだろう?』
二葉
『私、その子猫を知っているわ』
男の子
『僕も知っている』
『でも、どうして知っているのかが思い出せないんだ』
二葉
『私も…。』
2人は男を見た。
男はやれやれという素振りを見せてから二葉にこう言った。
男
『時間だよ』
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