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ピピピピ!
ピピピピ!
ピピピピ!
薄暗い部屋の中、目覚まし時計が鳴り響いていた。
?
(夢?あの頃の)
高橋里穂。
看護学生。
20歳。
里穂
「休憩ありがとうございました」
仮眠室から出た里穂は休憩中に受持ちの患者さんを看てくれていた看護師に挨拶をして、自分の仕事へ取り掛かった。
里穂
(後で真くんに電話してみようかな…。あーちゃんのお見舞い、一緒に行けるといいんだけど…。)
夜勤の実習を終えて、着替えて駅まで歩き、帰りの電車を待った。
里穂は毎日往復二時間かけてこの病院で研修生としてお世話になっている。
夜勤明けで疲れも残っていたのか、帰りの電車に乗るとすぐ眠ってしまった。
男の子
『二葉ちゃん!』
また、あの男の子の声がした。
里穂
(私は二葉ちゃんじゃなくて…里穂…。)
男
『やれやれ。二葉ちゃん?続きを話してあげるから起きておくれ』
男は二葉を抱き抱えてそう言うと、また続きを語り始めた。
その猫の名前はね…
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