嘘と嘘

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「ごめんっ、行くね」 「ちょっと、待ってよ」 マサヤが私の腕を掴む。 『こんなところ 龍ちゃんに見られたら…』 私の頭は その事でいっぱいだった。 焦って マサヤの腕を振り払う。 「ごめん、また今度ね」 「今度っていつ会える?」 『も~』 焦りから 少しイラつく… 明日から就職休みだし… 「じゃあ、卒パの後 連絡するからっ」 とっさに思いつき マサヤに告げる。 その時… 龍ちゃんが車から降りて 歩いてきた… 多分 マサヤとのやり取りを見ていたのだろう… 少し不機嫌な顔で 何も言わず手招きだけして 彼は車に戻った… 『も~最悪っ』 マサヤは龍ちゃんに気が付かなかったようだ… 「卒パの後 絶対連絡しろよっ」 「うん…うん、分かった …じゃあねっ」 曖昧に返事をして マサヤが帰るのを確認すると 私は龍ちゃんの車に走った… 『怒ってるかな…』 不安がよぎる… 信号を渡り 龍ちゃんが車に居ることを確認して 急いで助手席に乗り込む… 「お前遅いよっ」 笑顔を浮かべる龍ちゃんに ちょっとホッとした。 「ごめんね…」 「もう、帰ろうかと思った」 シュンとしてしまう… 彼は信号を確認すると 自分の家へと車を走らせた…
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