赤い痕

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「よおっ」 マサヤが笑顔を見せる。 「マサヤ達クラスは?」 「カラオケか…大体は帰ったよ」 さすがにマサヤと同じクラスの ショウの事は 聞かなかった… マサヤはタクシーに手を上げた。 『えっ…またタクシー?』 先に乗り込む彼の後ろから 私も着いて行く… 「どちらまで?」 運転手が後ろを見ずに聞いてきた。 彼が運転手に告げた行き先は… 耳にしたことのある ラブホの名前だった… 『…マジ?』 てっきり2人で飲みなおすものと思っていた私は驚いた… 『…私…マサヤとやるって言ったかな…』 あまり会話もないまま タクシーに乗った彼に 少し呆れて… 1人苦笑いが込み上げる… マサヤの言動と 自分の行動に… …遊び……か… …きっと彼もそうだ… …自分に納得させる… 走り出したタクシーを止めるわけにもいかず 私は無言で窓の外を見ていた… 流れる景色と一緒に 龍ちゃんの顔が浮かんできては そして… 消えて行った…
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