赤い痕

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ソレが終わると 2人裸のままベットに 横たわった… 息使いも荒いまま 『…帰らなきゃ…』 そう 私が考えるのと同時に 「そろそろ帰るか…」 マサヤが告げた。 体を起こし 毛布を胸に当てる… あんな行為をした後でも やっぱり裸を見られるのは 恥ずかしい… マサヤが体を起こし 照れる私を見る… そして 笑いながら私を抱き寄せ 「俺のモノって、しるしな…」 そう言って 胸元に顔を近づけた… マサヤの唇が離れると 赤く小さな その しるしが…胸元に付いていた… 『…俺のモノ…?』 「好き」とも 「付き合おう」とも 言わなかった彼… マサヤは本気なんだろうか… 本気なら… 尚更…ヤバイ… マサヤが言う しるしの意味… 後悔が押し寄せる… 龍ちゃんがコレを見たら… 不安がよぎった… ホテルを出ると 家が反対方向だからと 私は無理やり別々のタクシーに乗り込んだ… 次に会う約束は… もちろんしなかった… 早く… 早く… 1人になりたかった… 「またベル入れるから」 別れ際 そう言ってたマサヤの言葉を思い出す。 タクシーの中で カバンからポケベルを取り出す… マサヤに会った時間から ずっとベルを見ていなかった。 『…嘘……』 そこに表示されていたのは …AM5:19 いつも仕事が終わるだろう時間と… 龍ちゃんの番号だった…
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