赤い痕

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「もしもし?」 未だ 龍ちゃんの声にドキドキする私… 「龍ちゃん?」 「ん…今どこ?」 「アヤ家に居るんだけど…」 「そっかぁ。 じゃあ、夜でも良いから 会えないか?」 「うん。大丈夫だよ」 「何時でもいいからおいでな。 鍵開けておくから」 「分かった。じゃあ、後でね」 電話を切る… やっぱり彼は 私が連絡をしなかった事に触れなかった… 『龍ちゃんにとって 何でもない事なのかな…』 少し落ち込む… それでも 「鍵を開けておくから…」 その言葉は 私だけの特権のようで 嬉しかった… 「アヤ~?」 私の声に アヤは部屋に戻って来た。 「龍ちゃん先輩何て?」 「うん…行ってくるね」 「いいなぁ~ アヤも彼氏に電話しよ~っと♪」 そう言って また2人で笑い合った。 アヤに別れを告げ 一度家に帰ると 急いでシャワーをあびて服を着替える。 夜と言ったけど… 少しでも早く龍ちゃんに会いたかった… 軽く化粧をして 大通りに出ると私はタクシーに手を上げた。
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