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「これは私じゃなくて、私が来た時には既にこうなってたのよ!!」
「あー……確かに罠が作動した形跡も無いか。で、でもこの人どうして……と、とにかく永遠亭に運んであげないと!!」
男を肩に掴まらせて起こす。幸い、まだ息はある。だがそれよりも気になる事があった。
「鈴仙、ソイツの服……」
「へ?あ……」
そう、似ていた。鈴仙の服に。違うのは、スカートじゃないって事だけ。
ついでに何故かバールを持っている事も気になるけど、まずは治療が先だ。
「ゆ…………り……」
男が譫言を漏らす。『ゆり』という単語、多分名前かな?恋人かな?
えんやこらと永遠亭に到着。ちなみに道中は鈴仙が罠にかかりそうになっただけで、特に何も無かったウサ~♪
「あら二人ともおかえりなさい……と悠長に話している暇は無さそうね。ウドンゲ、部屋に運びなさい。」
「はい、師匠。」
二人が男を連れていく。私はその後ろ姿を見送った。いや、私はそっちの専門知識は無いし。
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