第一幕 竹林でお会いしましょう

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【?視点】 夢を見ていた。言葉を話すウサギに連れられて竹林の中を進んでいく夢だった。俺には似合わないメルヘンチックな夢だった。 だから夢が覚めれば待っているのは変わらない現実……だと思ってた。 「…………ここ、何処だ?」 間違いなく、俺の部屋じゃない。俺の部屋はこんな消毒液っぽい匂いはしない。煙草の匂いはするけどな。 適切な表現が思いつかないが、昔の病室を連想させる部屋だった。窓から見える外の景色は、夜の竹林。うん、間違いなく俺の知らない部屋だ。 そもそも俺はどうやってここに来た?まず昨日の夜は普通に部屋で寝て、朝起きて学校行って、帰りは裕理と喫茶店でテスト対策して、その後電車に乗ろうとして…… 不意に、戸が開く音が聞こえた。無意識に身構える。恨まれる覚えはそれなりにあるが、誘拐とか監禁とかされる覚えはないと思ってる。 ゴツい男が入ってくるのでは?そう警戒しながら待っていると、入ってきた二人組を見て呆気に取られた。 敢えて言うなら、変な服を着た女とコスプレ女だった。
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