第一幕 竹林でお会いしましょう

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「ウドンゲ、冬夜に頭を見せてあげて。」 「へ?頭ですか?」 不思議に思いながらもウサギ女が頭をこちらに向けて下げる。ウサギ耳が揺れる。 どうでもいいが、このウサギ女ってウドンゲって名前なのか?こいつの両親に名前の由来を聞いてみたい。そしてついでに素直過ぎる。いつか絶対詐欺に会いそうだ。 「冬夜、耳を引っ張ってみなさい。」 「あいよ。」 「へ?え?あ……いたたたたたた!!!!?」 ウドンゲの耳を引っ張る。作り物と思っていた耳はまるで直に生えているかのように抜けなかった。 いや、よく見たらこれ、本物だ。ヘアバンドみたいな物は無いし、きちんと血も通っている感触がある。 手を離すとウドンゲは涙目で耳の付け根をさすっていた。流石に罪悪感が芽生えるので「ごめん」と謝っておく。 「これで分かったかしら?ここは冬夜の知らない存在が住まう世界なのよ。」 ちなみにW女、永琳は全く罪悪感を抱いてないっぽい。 強く生きろ、ウドンゲ。
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