第一幕 竹林でお会いしましょう

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「ちょっと待てや黒髪ロング。」 「罵倒が来ると思ったらただの特徴ね、怒りも湧かないわ。」 「悪いがお前とシイとかいう奴の都合に振り回される気はねーんだよ、さっさと帰らせてもらうぞ?」 立ち上がり、拳を握る。女に手を上げるのは信念に背くけど、俺には帰らないといけない理由がある。 だが黒髪ロングは慌てる事なく口を開く。 「もう一つ、冬夜に椎から伝言があるわ。大沢裕理に会いたいなら大人しくしてろ、だそうよ?」 「っ!?裕理も、幻想郷に来てるのか?」 「さぁね、私は椎の言葉をそのまま伝えただけよ。」 拳を下ろす。もしその言葉が本当なら、俺はここを離れる訳にはいかない。 それを見た黒髪ロングは余裕たっぷりの笑顔を浮かべていた。あー叩きたい。 「ようこそ幻想郷へ、そしてようこそ永遠亭へ。私の名は蓬莱山輝夜、これから冬夜の雇い主となる者よ。」 こうして、俺の幻想郷での暮らしが始まった。それがどんな未来を招くのかは、まだ俺は知らなかった。
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