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授業を終え、別室に戻った僕を慧音さんが待っていた。基本的に授業は教える内容に分けて担当している。
「裕理か、お疲れ様。どうだ、そろそろ慣れてきたか?」
「いえ、まだまだ勉強不足を痛感する事ばかりですよ。」
「ふふ、そう謙遜する事はない。少し覗いていたが、なかなか良い授業だった。」
「そうでしょうか?」
「何なら、これも教えようか?」
慧音さんが軽く自身の額を指で叩くが、僕は丁重にお断りしておいた。
最初の頃に一度頭突きされたから分かる。あれは慧音さん以外には使えない。
「さて、今日の仕事も終わりだな。裕理はこの後は……」
「いつも通りです♪」
「では、頼んだ……そうだな、たまには私達もお邪魔していいか?」
「はい、大歓迎ですよ。ご飯はみんなで食べるのが一番美味しいですから♪」
「楽しみだな。」
慧音さんに細かい仕事を任せて、僕は一足先に寺子屋を出る。今晩の食材は少し多めに買う必要がありそうだ。
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