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「白斗…貴女だけは生き残って…」
真っ赤な髪の女性が、同じ髪色の少女へと逃げるよう促す
「何故?
お母様!何故、私は逃げなくてはならないのですか!?」
女性に負けないよう、思いっきり声を張り上げる少女
「それは…大きくなればわかるわ」
【ドオォォォッッン!】
まるで、2人の仲を裂くような爆音が辺りに轟いた
「あぁ…もう行かなきゃ
いい?白斗…
貴女は日の光を浴びて生きるのは難しいわ
容姿が…私に似すぎたのね
だから、自分で生きる術を探しなさい
…………またね、白斗-ハクト-」
「い、や……嫌…だよッ…
お父様も死んで…次はお母様だなんて…
や…だよぉぉぉ…
お母様ァァァッッ!!!」
狂ったように泣き叫ぶ少女の声は女性には届かず、少女は地面に落下した
【白斗……強く、鋭く生きるのよ】
そんな優しい声を耳に、少女は意識を手放した
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