神様なんだってさ

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ジト目で睨んでいる陽香はなぜが上着を羽織っている。準備、ねぇ・・・ 「仕方ない、今日一日ぐらい我慢するか」 『行ってきまーす』 いつの間にか外へ出た妹の声を聞きながら呟いた。 ・・・そう言えば、親父たちは? ◇◇◇◇ 学校に着いてから昼休みまでは平凡過ぎる事だらけなのでカットさせていただこう。大丈夫、またの機会に教えるさ。 そんなこんなで昼休み、今は屋上で元気に弁当をほおばっている後輩の来未(くみ)を呑気に眺めていたりする。名字は浅野(あさの)だ。 コイツとは昔馴染みでよく陽香と遊んでいるため、自然とこんな仲になってしまった。陽香は今頃…職員室だろう。 「悠くんはご飯食べないの?」 おっと、自己紹介がまだだったか。俺の名前は新谷悠(にいやゆう)、よろしく。そして俺の昼飯は今頃、我が家のテーブルの上で昼寝でもしているんだろうさ・・・。 ちなみに来未は後輩のくせになぜか俺の事を《悠くん》と呼んでいる。 「悠くん、ご飯無いなら私のを少しあげよっか?」 「いや、いいよ。それに・・・」 来未の弁当を覗き込む。やはり、もう残ってない。 「そもそもオマエの弁当、もう空じゃないか。」 すると来未はなぜか急にそわそわし始めた。 「え、えっとね、実は今日、悠くんにお弁当、作ってきたんだ・・・」 ・・・は?えぇ!? 「・・・マジ?」 聞くとコクリと小さく頷く。どうやら本当らしい。まさか女子に手作り弁当を貰えるとは・・・。これぞ『地獄に仏』だ。 「はい、これ」 そう言って手渡された小さな青い弁当箱。ドキドキしながら開けてみると中には白いご飯やふっくらした玉子焼きなど、色とりどりで可愛らしいものだった。 「本当に、これ食べていいのか?」 もう一度確認をとるが、来未は変わらず小さく頷くだけだった。 「じゃあ、貰っとくよ。」 一緒に付いていた箸を手に取って玉子焼きを持ち上げてみる。普通に美味しそうである。 「い、いただきます・・・」 パクリ、モグモグ・・・
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