第1話

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  「なーに、話してんの。お二人サンは。」 「あ、千恵子。」 「ちえちゃーん!」 スラリと長い足をスカートの裾から覗かせ、千恵子が歩いてきた。 「ハルコがね、出会いないんだって。」 「ふ~ん?しょうがないじゃん。女子校なんだから。」 そう言ってフワリと足を組んでイスに座った。 クールでサバサバした千恵子は、いつもさらりと的確なことを言う。 「くっそー!このリア充め!」 「うん。ごめんね。彼氏いてごめんね。」 「うっぜーーー!!」 毎日、たわいのない会話を繰り広げながら過ごす、たった1時間の昼放課。 今日は、窓から見える空が、気持ちよく流れている。 出会い…か。 恥ずかしながら私も、高校生になれば自然と彼氏が出来るもんだと思ってた。 女子校に通う女子高生なんて、男子高生の憧れ的存在なんだと、残念すぎる勘違いをしてた。 “女子高生”ってブランドに、夢を見ていた私は、未だに恋を知らない。
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