第2話

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  お母さんに“玉根岸って誰だよ!”っといった内容のメールを返信し、近くのスーパーに入った。 大安売りの広告が堂々と貼られている。 右肩にカバンを提げ、左手にカゴを持つ。 「えーっと。」 お母さんの注文通り、玉ねぎとサイダーを探す。 最初に見つけた玉ねぎを適当に2個選び、カゴに入れる。 そして、飲料水コーナーに足を運んだ。 「ん?」 片手に牛乳を持ち、ジッと眺めている男の子がいた。 学ランを着てるってことは、男子校の生徒かな? それにしても、背が高い。 サイダーがその男の子の隣に置いてあるので、私はゆっくり近づいた。 間近でチラッと彼を見る。 うわぁ…。 高い鼻に、きめ細かい肌。目はよく見えなかったけど、一瞥しただけで彼はカッコイイ部類に入る人だとわかるほど、端整な顔立ちをしていた。 余程音楽の音質にこだわっているのか、オシャレなのかわからないけど、首に派手なヘッドフォンをかけている。 もちろん、話しかけるつもりはない。そんな勇気…ない。 私は、サイダーに手をかけた。 「そのサイダー、やめたほうがいいよ。」
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