第2話

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  話しかけたはいいけど、言葉が続かない。 どうしよ、何話せばいい? 「えーっと。ぎゅ、牛乳好きなんですか?」 やらかしたーー!なんてつまんないこと聞いちゃったの私!“カッコイイですね”とか“優しいんですね”とか言うべきだったよね? だって私、男の子と話すの、久しぶり… チラッと彼の顔を見てみる。右斜め上に目をやり、小首をかしげ、考えている様子が見てとれた。 「好きってワケじゃないんだ。ただ、飲みたくなって、買おうと思ったら予想以上に種類があってさ。」 「?」 「どれにするかなーって思ってたら、メーカーごとにカロリーが違うことに気づいちゃって。」 「…。」 「牛の乳を絞って出すってとこまでは一緒なのに、なんでカロリーが違うんだろって。不思議に思ったんだよね。」 彼は、鼻筋の通った綺麗な鼻の上に何本も皺を寄せ、目を細めながら無邪気に笑った。 反則。目が離せない。カッコイイようでカワイイ…。 これが俗に言う、一目惚れってやつですか…?
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