不運な厄日

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黒田 寮は目を覚ました。 後頭部の鈍い痛みに耐えながらもなんとか座る体勢になった。 手足には 縄が縛られていた。 目の前には泣いている妻と息子。 黒田 寮は一瞬にして記憶が蘇った。 そして 横からこめかみに拳銃を突き付けられた。 黒田「!!」 「あんたが黒田 寮だろ?」 年齢は20代後輩だろうか。 渋い声をしている。 犯人「あんたには悪いが上からの命令でな……。」 カチッ… 今度は妻と子供に拳銃を向けた。 「おまえの妻と子供には死んでもらわなければならない。 さようならの挨拶はいいか?」 犯人は優しそうな笑みを零しながらも言った。 「口に布してたら挨拶なんて出来っこないよね(笑)」 銃口が妻の額に向く。 妻は口を布で縛られているから 泣きながら何かを訴えるが何もわからない。 黒田「や、やめろぉぉーーーお!!!!」 容赦なく 響き渡る9時半の銃声が2つ。
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